学会の活動
研究会報告
概要Outline
活気ある職場づくりに向け「対話施策」実証実験開始
2023年4月にスタートした「人的資本経営と効果的IC施策研究会」では、
2年余りの調査研究を踏まえて、
今年5月から小売りチェーンの協力により店舗マネジメントに
対話活動を導入する実証実験を開始しました。
そして「対話トリセツ」小冊子を活用した店舗運営の価値向上に向けた取り組みの進め方について、
5月29日(木)午後から神奈川県相模原市内の店舗店長に対して事前説明会を開催しました。
またこの実証実験の概要については、
その前日28日夜に開催したZOOMによるオンライン研究会で関係者に披露しました。
本研究会が取り組む実証実験は、
店長が店舗スタッフ十数名と1対1で行う対話活動を毎週数分から10分程度継続して実施する活動です。
日常的に行われる業務上の「指示・命令系のコミュニケーション」ではなく、
共に働く仲間として「楽しく活気のある、お互いをよく知り協力し合う、
相互のインターナル・コミュニケーション活動」です。
契機は2024年秋。毎週1回程度の対話を約3か月間続けるコミュニケーションを通じて、
どのような気づきや働き甲斐が形成されるのかどうかを問う実験にチャレンジしてみませんか、
との研究会からの提案に対して、研究会に参加する企業メンバーが応えたことから始まりました。
この実験計画では、今年10月までに関東各地の店舗で行われる予定となっており、
その結果は、日本広報学会第31回全国研究発表大会(10月11~12 東京都市大学・世田谷キャンパス)で
報告される予定になっています。
今回の対話活動の実証実験の特徴は、
従来から企業などで行われてきたワン・オン・ワン(1on1)活動とやや異なり、
研究活動の中で作成した「対話トリセツ」小冊子を活用して行われることです。
一般に多くの組織内対話活動が、個人の地位や業務能力のみならず、
1人ひとりの多様なコミュニケーション能力に依存する傾向があるゆえに
標準化されにくいところがありますが、今回の実験では、
「対話トリセツ」冊子原案の作成から制作までのプロセスに全面協力された日本1×1協会の近藤実代表が、
自ら直接店長に対する事前説明や質疑応答にも対応していることです。
いわば企業広報の理念や手法と1on1コミュニケーションのノウハウ、
この両者がシンクロナイズして形成された店舗マネジメント版「対話型コミュニケーション技術」試作版が、
やがて「対話ができた」という経験の共有を通じて、
新たな対話コミュニケーション施策として自己組織化していく可能性も期待できるのではないかと思われます。
(人的資本経営と効果的IC施策研究会・主査)