学会の活動

研究会報告

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情報流通構造の事例研究会 1月定例活動報告

岩波新書・林香里2017「メディア不信」を読む(解説:玉川俊哉)
参加者:池田、太田、小山、瀬戸、西川、ロゼル、田代

今回は玉川氏がメディアの成り立ちと市民との関係をテーマに
「メディア不信」著作から読み解いた。

市民のメディアに対する信頼性をドイツ、英国、フランス、米国、日本と比較して論じた。
メディアが提供する市民生活にかかわる政治的情報が、
それぞれの論調と主張にうまく結びついて構成されている。

ヨーロッパではリベラル派と体制派との開きは広く、
中道以外にもいくつもの論調と主張の集団が存在している。
特に社会階層においては有料紙と無料紙、高級紙と大衆紙があり、
それぞれの影響と範囲が異なる。

米国では制度主義、権威主義、階層社会からの脱却を目指すが
情報の分断化には危機を感じさせるほど根深いものがある。

玉川氏はメディアを通じた言論空間の変化を仮説たてを試みる。
また、メディア不信はリベラルな民主主義への不満が増幅させた
政治的主張ではないかとする林氏の提言を紹介した。
参加者からはエデルマンの「トラストバロメーター」や
メディア内部のジェンダーレスや開かれた空間での言論活性化などが論じられた。

林香里:ロイター通信記者とへて東京大学へ進む。
東京大学社会情報学環助教授。朝日新聞論壇時評(初の女性論者)

http://www.hayashik.iii.u-tokyo.ac.jp/

当会では自由課題で発表、論文紹介、専門著作の解説、問題提起、広報課題への議論など
自主発表を歓迎します。

次回は2月21日月曜日18時オンライン開催の予定
参加者はtashiro@materialpr.jp 田代 順まで。