学会の活動
日本広報学会賞
概要Outline
2025年度 (第20回) 日本広報学会賞
日本広報学会賞は2025年度で第20回となる。本年度の学会賞の対象となるのは、本学会の会員が2024年4月1日から2025年3月31日までに公刊した図書・論文である。自薦・他薦で応募のあった作品のうち、10点が本年度の選考の対象となった。内訳は研究部門が7点、教育・実践部門が3点である。
7月に第1回委員会を開催し、学会の定める「日本広報学会賞規定」に基づき審査の方針を確認したうえで、各委員による個別の審査に入った。その後、9月に第2回委員会を開催し、各委員から提出された評価報告書に基づき慎重な審議を行った。この結果、以下の通り「研究奨励賞」2点を決定した。
(研究奨励賞)
西川順子
「内閣府の政府広報における国際広報事業の拡大に関する研究
―予算と執行額に着目した行政事業レビューシートの分析を中心として―」
本論文は、政府による国際広報に注目した論文であり、従来研究のなかで独創的な分野を扱い、相当のメッセージ性を持っていることが高く評価された。また、審査委員の多くから今後への強い期待が提示された。さらに、日本広報学会として期待する広報の専門領域から他の領域に架橋しようとする取り組みでもあり、その点からも研究奨励賞に相応しいとの結論に達した。
(研究奨励賞)
三井祐介・辻本篤
「行政広報チャネルと市政満足度との関係について―行政広報チャネルの議題設定機能―」
本論文は、行政広報領域の既存研究により提示された仮説を大量のデータにより実証しようとしたものであり、そのアプローチに一定の独自性が見られると共に、結論の導出に向けた論理的な展開が評価された。今後は集積された当該データの活用により新たな研究シーズが生まれることも期待したい。