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研究会報告

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情報流通構造の事例研究会定例活動報告

国枝先生が全国大会口頭発表に備えて定例会で演習発表しました。

■タイトル:
米国防情報学校(DINFOS)の設立経緯と展開
――報道機関依存からの脱却と発展――

■要旨:
米軍の国防情報学校(Defense Information School、DINFOS)は
広報に特化した77年の歴史ある教育機関であり、
本発表では文献調査を通して明らかにした、
国防情報学校の設立やその後の経緯について、
第二次世界大戦以前、陸軍情報学校の設立、
国防情報学校の設立とその後という3つの時期に分けて報告する。

同学校の歴史からは、米軍が広報人材育成体制の整備を通して
報道機関に依存する体質からの脱却を試みたことがわかった。

また、軍事機密の秘匿と情報公開の原則という根深いジレンマを抱え、
批判を受けつつ、軍隊の広報ドクトリン(広報ガイドライン)と対応した
効率的・効果的な広報教育体制の構築を試みてきたこともわかった。

■議論
どのような広報教育が行われていたのか興味深い。
現在も広報実務者を輩出している。

軍事紛争の場合にはステークホルダーへの仕分けたコミュニケーションが困難ではないか?
アメリカの陸軍、海軍、空軍も包括しているようだ。
冷戦時代には国際外交でも発揮したのではないか?
そもそも戦争ジャーナリズムとは対峙する関係ではなかったか?
専門家のカトリップらは卒業生を大学院に受け入れていた。

クリール委員会ともどのような連携をしていたのか興味ある。
ウエブサイトのトップページは広報の兵士が修理や作業している、
撮影しているイメージがあり、いまのコミュニケーション中心の実務とは程遠いイメージだ。
しかし戦争の記録を残すことに執心していたのではないか?

ほか、1946年に設立されたとすると、冷戦との関係はないのか?
大戦中のプロパガンダ組織(クリール委員会、OWI)との関係はどうなっているのか?
士官学校、West Pointとの関係はどうなっているのか? 
日本の防衛大学には関連する講義などないのか?
卒業生の進路はどうなっているのか? 
軍人以外との接点はあるのか?
通信・放送用メディアの技術的メンテナンス教育も含まれているのは、
戦場での故障への対応等を意識しているのではないか?
などなど意見や指摘がありました。

次回は11月4日月曜日開催予定 
参加申し込みは: tashiro@materialpr.jp まで

(田代 順)