学会の活動

研究会報告

概要Outline

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九州部会第一回研究会

2022年3月12日(土)午後からJR博多駅ビル9階・JR九州シティ会議室3をメイン会場として
対面参加15名、zoom参加15名のハイブリッド形式で開催。3つの報告と記念講演を行った。

第一報告は「西南アジアからの留学生による日本的経営文化のもとでの現地での創業」で
日本を目指すバングラデッシュの学生が日本の文化、教育を身に着けることで
日本での就業ではなく本国に戻ってスタートアップをめざす姿を紹介。
起業環境の容易さもあるだろうが報告者自身が卒業後の学生、
現地の日本語学校などとの交流を維持しながら指導に当たっている実体験に基づく報告。

第二報告は「なぜRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)はAIと異なるのか~デジタル知とアナログ知~」で、
産業界におけるロボット導入が単純作業の機械化だけでなく
高度なホワイトカラー分野への深化が進み、脳を除くすべての分野に及ぶ可能性があるが、
人間でしかできないアナログの重要性についての言及もあった。

第三報告は「メディアによるコロナ報道が国民に与える影響」でzoomによる報告。
コロナ発生以降の政府報道とメディア掲載状況の分析から見えてきた
“現場と政府政策の遅い対応”などメディア出身者の私感を交えた報告は新鮮だった。

記念講演は「友好の架け橋、人の心に国境はない」で、
九州の地の利を活かして日中の懸け橋を演じて来た人生の語りでもあった。
ご両親が第二次大戦後も中国に残り復興に貢献するも、
文化大革命時代の過酷な待遇で父を失う。

日中国交回復後博多に戻り「二度と中国には行くまい」と思いつつ、
大学教授のご主人の海外勤務に同行しながら米英の文化に触れることで、
中国に対する見方に変化が起こった。

中国生まれで中国語にも長けた演者が、
今では日中ビジネスにおけるコンサルタントとしてビジネスサポートだけでなく
心の交流を大切に仲介役を果たす姿はまさに架け橋そのもので感動的だった。

会場の設備に不慣れなところもあったが上海を含めたZoom参加者との意見交換もできた。
また異文化経営学会九州部会(第8回)と合同開催することで
異なる学会メンバーとの交流、違った視点からの社会の見方は新しい発見でもあった。
終了後は駅ビル9階でシチリア料理を満喫しながらさらなる交流を深めることができた。

<次第>
司会:松田香里((株)キナックス代表取締役)
九州部会長挨拶:小野豊和 (元東海大学教授)


第一報告:市川順一(折尾愛真短期大学准教授)
「西南アジアからの留学生による日本的経営文化のもとでの現地での創業」


第二報告:岩本勝行(東海大学経営学部准教授)
「なぜRPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)はAIと異なるのか~デジタル知とアナログ知~」


第三報告:太田民夫(元東海大学経営学部教授)
「メディアによるコロナ報道が国民に与える影響」
記念講演:青木麗子氏((株)DLC・GBコンサルティング代表取締役)「友好の架け橋、人の心に国境はない」


全体講評:岩本勝行(東海大学経営学部准教授)


閉会挨拶:馬越恵美子(異文化経営学会会長、桜美林大学教授)

(小野豊和)