学会の活動

日本広報学会賞

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2023年度 (第18回) 日本広報学会賞

2023年度の日本広報学会賞は、2022年4月1日から2023年3月31日までに公開された図書・論文で、自薦・他薦合わせ研究関連7件、教育・実践貢献関連2件の推薦があった。審査は、7月14日に第1回審査委員会を開催し審査方針を確認の上、8人の委員による作品の読み込みに入り、9月12日までに各審査委員より評価票の提出を受け、9月13日に第2回の審査委員会を開催。各委員が提出した評価票に基づいて慎重に討議を行った。

審査の結果、優秀研究奨励賞1点、研究奨励賞2点への贈賞を決定した。

(優秀研究奨励賞)
 「アートプレイスとパブリックリレーションズ」
     -芸術支援から何を得るのか-
         川北 眞紀子・薗部 靖史

著者らは、アートプレイスと言う、企業から関心が高い割には成果や評価が不透明で、研究対象として比較的に手が付かずの領域に精力的に取り組み、広報分野に関連する学術的な研究領域を切り拓いてきていることが先ず評価された。本著では、海外の先行研究を出発点に、豊富な日本企業の実例を一定の視角から盛り込みながら、アートプレイスが生み出すイノベーションや社会性、組織とステークホルダーとの関係性に果たす役割など、その意義や機能を比較し、丁寧にわかりやすく論理的に整理していることでも画期的である。更に、補論としての「本拠が依拠する概念と理論」もこの分野を理解する上で非常に良くまとめられており、この分野に関心を寄せる実務家や生活者への示唆に富んだ非常に質の高い教科書としても活用し得る。以上のことから優秀研究賞を贈賞することとした。

(研究奨励賞)
 「ロシアのウクライナ侵攻に対するPR業界の初期対応」
    ―声明と報道に基づくPR産業分析―
         国枝 智樹・岩澤 康一 

本論文は、戦争とPRと言う広報研究における普遍的なテーマにあって、以前にも増して情報の重要性がクローズアップされる中で、アクチュアルな事象であるロシアのウクライナ侵攻を対象として、PR業界の動きを業界ニュースサイトの分析によって記述しようとしたものである。特に、「初動」というタイミングに対象を絞ることで「声明」文書の分析による研究方法に正当性を与えている点に、現実に進展中の事象を扱う上での工夫が見られる。現状では対象資料の整理・読解の段階にとどまる研究だが、学会だけでなく社会的にも最大関心事に対して、学会員としての使命感から、早期に研究を推進し、一定の成果にまとめた推進力は見事である。また、複雑で見えにくい現実を明快に記述し、後の研究の基礎となる学術的貢献を果たしている点も評価されよう。著者らの更なる研究の展開への期待と、学会による研究活動としてのインパクトの高さを前向きに評価し、研究奨励賞を贈賞することとした。

(研究奨励賞)
 「革新的な製品の欠陥が企業への態度に及ぼす影響」
    -企業イメージと製品イメージの一致による交互作用効果―
         田端 洋・松下 光司

本論文は、企業イメージと製品イメージの「一致」という概念に着目し、製品の欠陥によって引き起こされる企業全体に対するダメージが、欠陥をもたらす製品の性格・革新性によって異なることを実証的に示した研究である。本論文の研究方法は、消費者行動研究における実験分析手法の広報研究への応用である。新しい研究手法を広報研究の分野に持ち込んだ意欲的論文であり、内容、手法の独自性とともに、実証手続きとデータ管理の手際も洗練底されている。広報分野の研究手法に広がりを感じされる論文である点も大いに評価できる。ただ、革新的製品の定義や、企業イメージと製品イメージの一致と一口に言っても、実際には多様であり、その多様性をどう扱うかなど、本研究の発展に関わる課題も抱えているが、今後も継続的に研鑽を積まれることを期待して研究奨励賞を贈賞することとした。

以上が審査経過である。加えて、審査委員長から学会員に対し、
学会員の皆様には積極的に研究を遂行され、論文投稿に繋げて頂くことは勿論であるが、本学会の学会誌「広報研究」は元より、広報に関連する各種の論文、図書に幅広く目配りを頂き、毎年度初めの日本広報学会賞公募への積極的な自薦・他薦をお願いしたい、とのコメントが寄せられた。

学術貢献賞

該当なし

優秀研究奨励賞

川北 眞紀子、薗部 靖史 著

【著書】「アートプレイスとパブリックリレーションズ」―芸術支援から何を得るのか

研究奨励賞

国枝 智樹、岩澤 康一 著 

【論文】「ロシアのウクライナ侵攻に対するPR業界の初期対応」―声明と報道に基づくPR産業分析―

田端 洋、松下 光司 著

【論文】「革新的な製品の欠陥が企業への態度に及ぼす影響」-企業イメージと製品イメージの一致による交互作用効果―

教育・実践貢献賞

該当なし