学会の活動

日本広報学会賞

概要Outline

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2018年度(第13回)日本広報学会賞

2018年度は13回となるが、本学会会員が2017年4月1日から2018年3月31日までに公刊した図書・論文で自薦、他薦で応募した作品に加えて『広報研究』第22号収録の論文を候補作品とした結果、今年度の日本広報学会賞には自薦他薦を含め、図書1点、論文6点の応募があった。
うち論文1点については、応募条件である「2018年3月31日までに公表された」と認めがたいことから、応募資格を満たしていないとして審査対象から除外し、図書1点、論文5点を対象に審査を行った。
前年度の対象作品が図書6点、論文10点であったことを考えると、本年度は数的には低調な水準にとどまった。

応募作品の研究テーマは広報の社会的役割の拡大を反映してか広範にわたっている。研究の中間報告レベルにとどまり結論が曖昧なものも見られたが、それだけに来年度以降の研究の一層の進展に期待したい。
審査にあたっては委員がそれぞれの作品について評価表を作成したうえ、9月26日に委員全員の出席のもと審査委員会を開催し慎重に審議を行った。その結果2018年度日本広報学会賞を下記の作品に授与したいとの結論を得た。

審査結果

学術貢献賞

該当作品なし

優秀研究奨励賞

該当作品なし

研究奨励賞

[論文]吉野ヒロ子、小山晋一、高田倫子著
ネット「炎上」における情報・感情拡散の特徴 ―Twitterへの投稿データの内容分析から―
(「広報研究」第22号2018年3月)

教育・実践貢献賞

該当作品なし

受賞作品の講評

研究奨励賞講評

ネット「炎上」における情報・感情拡散の特徴 ―Twitterへの投稿データの内容分析から―

筆者のグループはかねてより、ネット炎上について精力的な研究を進めている。本論作では、PCデポとラーメン二郎仙台店の2つの事例でのTwitter投稿を取り上げ、投稿内容とリツイートの関係について検討を行っている。
この論文独自の視点は、膨大な投稿をテキストマイニングにかけ、投稿意図や使用する用語から「攻撃的投稿」と「批判的投稿」に分けて分析したところであろう。また、投稿に含まれるURLの分析から、マスメディアやネットメディア等他の情報源との関係で情報拡散構造の一端も明らかになる。
その結果、批判的投稿はリツイートされやすいが、攻撃的なものはリツイートされにくいという知見が浮かび上がってきた。論文タイトルに「情報・感情拡散の特徴」とあるが、攻撃的感情は拡散されにくいということだろう。
本論文では、オウンドメディアの告知は拡散されにくい、ファン層を構築していくことが炎上の緩衝となりうる等、実務に有益な視点の目配りも怠りない。
本論文で取り上げた事例は2件にとどまっているが、今後さまざまなタイプの事例やTwitter以外のソーシャルメディアの検討を積み上げていくことにより、今回の結論の精緻化一般化を進めてほしい。