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学会からのお知らせ

「第3回研究フォーラム」発表者募集

開催日時:2021年4月17日(土)13:00〜17:30
場所:ZOOMによるオンライン開催
参加費:無料
主催:日本広報学会 事業委員会
後援:公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

「研究フォーラム」は、若手・異分野・新分野研究者や実務家からの今日的な問題提起を受け、参加者を交え自由闊達かつ濃密な議論を行おうとするものです。
研究発表全国大会が「研究成果」を発表する場であるのに対し、研究フォーラムは「問題意識」を投げかけ、参加者が忌憚なく議論を交わす場です。

第3回研究フォーラムのご案内文

プログラム

【発表者と発表内容】

4月17日土曜日 オンライン発表 13時より開会 (発表者の敬称略)

■■■発表者: 大橋行彦 (日立製作所)
発表テーマ: 広報・PR視点のDXーDXコミュニケーション研究会中間報告
概略: 近年、デジタル技術を活用してビジネスモデルを変革するとともに、顧客や社会のニーズを基に、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立するDX(デジタル・トランスフォーメーション)が様々な分野で加速している。
DXの対象は、企業のビジネスプロセスを構成する購買、製造、出荷、マーケティング、さらにはサービスなどの主機能はもとより、経営管理、人事、財務、調達、研究開発などサポート機能にまで及ぶ。DXを加速するためには、コーポレートやマーケティングにおけるコミュニケーションを担う広報・PRにも変革が求められているのである。
今回はその研究成果の一つである「DXコミュニケーションコンセプト」を紹介する。
本コンセプトは、デジタル技術の活用により社外、社内および対顧客のコミュニケーションを連動させて、単なるデジタルコミュニケーションを超えた、顧客・従業員や社会の体験価値向上を促す仕組みをモデル化したものである。

■■■発表者: 玉川 俊哉 (玉川情流工房)
発表テーマ: コミュニケーションの構造的理解に向けての基礎研究
概略: 情報流通構造の事例研究会(主査: 田代順)では、情報がどのように流れていくかを構造的に検討する活動を行っています。
2019年の第2回研究フォーラムで情報流通の構造化を検討する一つの形として、コミュニケーションホイール(Communication Wheel)を提示しました。
その後の議論の中で、発信者と受信者をつなぐ、情流構造(メディア・媒介)に加えて、そこを流れるコンテンツの形、そして受信者の理解と行動、すなわちコミュニケーション全体にわたって、構造化して理解しないといけないという認識が生まれました。
そこで、玉川はコミュニケーションを「コンテンツ」「情流」「受け止め(受動)」の三つに分けて構造化することを提案したいと思っています。
学会内外の皆様からの忌憚のないご意見ご指導を賜りたく研究フォーラムにて発表させていただきたいと思います。

■■■発表者: 田代順 (マテリアル)
発表テーマ: デジタル情報流通をレイヤー構造で考察する
概略: 企業の公式情報の発表視点からデジタル情報流通構造をレイヤー構造で整理する。デジタルの流通構造の中ではSNSやニュースプラットフォームなど様々なメディアが機能してニュースや情報を移動拡散させている。パブリックリレーションズの基本概念のメディアを通じて社会に正しく情報を伝え、社会との信頼関係を築くことができるのか?流通構造が複雑なあまりに、正しく流通経路を確認することはできるのか?この二つの疑問点から流通構造の仕組みを解明したい。ニュースや情報の流れをいくつかの階層構造に分類すると、その階層間同士の「記事転載」には規則性が見られるようだ。問題提起として様々な指摘やアドバイスをいただきたい。

■■■発表者: 石川慶子(広報コンサルタント)
発表テーマ: メディアトレーナー育成研究の必要性について
概略: カメラ目線で自分を客観視する訓練(2015年石川定義)「メディアトレーニング」の提供を始めて20年となります。この間、様々な心理学、人材開発、各分野との試行錯誤により、プログラムに工夫を重ねてきました

しかし、オリパラ前会長森氏の失言や態度、菅総理の表現力不足によるわかりにくさが批判されるなど、日本におけるトップメッセージ力については課題が解決していません。得に今年に入ってから、英字メディア(ブルームバーグ、ロイター、ジャパンタイムズ)記者から「森氏、菅氏コミュニケーションのどこが問題なのか。なぜそうなるのか、日本のトップは訓練をしないのか、模範となる人はいないのか、訓練する人はいないのか」といった質問が相次ぎ、危機感が募りました。もっと私がやるべきことがあるかもしれない、と。

トレーナーに求められる能力体系化にあたっては、メディア特性理解力、リスク発見力、スピーチライティング力、ビジネススーツの国際マナー知識、歩き方とボディランゲージ力、表情筋と発声訓練力、コーチング力等高度なスキルが求められます。これらのスキルをどう身につけるかの研究を進め、内容を公開することが日本におけるトップコミュニケーションの改善に役立つのではないかと期待しています。本発表で仲間となる研究者が見つかれば幸いです。

■■■発表者: 安藤涼太(内外切抜通信)
発表テーマ: 情報流通における今日の課題とその解決案の検討
~人とAIの共生・音声による情報パートナーに向けて~

概略: 情報流通の現状と課題を、「情報」・「時間」・「人」の3つの要素に分解し、各課題を整理する。また、これら関係性や特性を「変化」・「不変」の2つの視点から観察することで1つの課題に集約する。
・「情報」: 1993年のwww登場以来、流通する情報量の増加が著しい。総務省の発表によると、選択可能な情報推移は1996年~2006年の10年で530倍になる。(1996年を100とする)
・「時間」: 2020年のメディア総接触時間(東京)は411.7分。2006年の調査開始以来300分台で推移してきたメディア総接触時間は、昨年から400分台に到達している。生活者の2人に1人は「世の中の情報量は多すぎる」と考えている。
・「人」: 音声は消費者の記憶に残り興味を引き起こしやすい。radikoによる音声広告に関する効果測定調査では、ブランドに対する好意、興味関心、利用意向に効果を発揮するという結果がある。
<課題の集約>
世の中の情報量は多すぎる。これは、過去の技術革新によって発生した情報爆発に起因する。コンテンツ接触時間をより良くすることが、人生をより良くすることにつながるのではないか。

■■■発表者: 国枝智樹、宮部潤一郎、山村公一、伊吹勇亮
発表テーマ: 世界の広報研究トレンド: 第24回International Public Relations Research Conferenceより
概略: 広報研究はアメリカを中心に進められてきた。アメリカをはじめ海外の広報研究の最先端や広報研究者の間で注目されている理論やテーマを把握することは、日本の広報研究者や実務家にとって有意義である。
そこで、本発表では海外における広報研究の最先端を把握する試みとして、広報に特化した国際研究発表大会として名高いInternational Public Relations Research Conference(IPRRC)の第24回大会(2021年3月開催)に見られた研究動向を報告する。具体的には、60件の研究発表をそのアブストラクトに基づいて整理し、実際に参加した研究者の知見も交えて分析した結果を報告する。加えて、これらの発表から得られる日本にとってのインプリケーションについて報告する。

以上、6名の発表、ひとつの発表について40分(質疑応答と議論含む)、17時30分に終了しました。