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研究会報告

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「ESG/SDGsと広報」研究会の進捗報告

2021年度に始まった本学会「ESG/SDGsと広報研究会」では、
サステナビリティ経営におけるコミュニケーション機能を研究しています。

結果として、広報部門としての機能だけではない
現代企業に必要な新たなコミュニケーション機能に議論が及び、
環境変化を解釈して経営にインプットするインテリジェンス機能、
社会課題の解決を目指す運動論的なアドボケイト機能など、
社会を「動かす」広報のコミュニケーション・サイクルモデルの試案までたどり着きました。

企業におけるサステナビリティ推進担当者、
広報・広告代理店やシンクタンクなど外部から企業のサステナビリティを支援する専門家、
そしてこの分野に関心をよせる学術研究者が1/3ずつ構成される20人ほどで議論を重ねてきました。

この研究は、サステナビリティにおける現場の先端的な状況を把握し、
コミュニケーション機能の再編への手がかりを得る目的で事例研究を中心に構成しています。

自社事例を報告いただいた企業は、一般財団法人日本気象協会、株式会社野村総合研究所、
味の素株式会社、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社、
株式会社東芝、ネスレ日本株式会社です。
いずれも研究会参加メンバーであり、
サステナビリティの新たなコミュニケーション機能を探求している点で事例報告を依頼しました。

併せて社外の立場からそれを支援する専門家からの話題提供や支援実態に関しても
ヒアリングを重ねてきました。
社外からの専門家としては、株式会社電通、株式会社野村総合研究所のほか、
有識者として、株式会社ニューラルの夫馬 賢治氏と
株式会社エンパブリックの広石 拓司氏から話題提供をいただいています。

研究会が描き始めたコミュニケーションモデルの試案は添付の通りです。
2022年10月に開催された第28回研究発表大会にて議論の経過と試案を発表し、
建設的なフィードバックを得ました。

今後は、サイクルモデルの実装に向けての課題を
PR会社の研究会メンバーから問題提起を受けるとともに、
学術メンバーから研究としての意義と課題を整理する議論を予定しています。

(坂本文武/社会構想大学院大学)