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事業計画
日本広報学会2011年度事業計画
去る3月11日に、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震の発生と、それに誘発され東日本太平洋岸を中心に広い地域を襲った巨大津波による被害は、想像を絶するものであった。この大震災に当って、本学会はどのような対応をすべきかが、大きな問題であった。3月下旬には副会長、理事長他幹部で本学会としての今回の大震災への対応について協議し、4月6日に理事会を開催して、東日本大震災対応緊急研究プロジェクトの実施を決め、その企画を会員から広く募集することとした。4月末に応募を締切り、会員から寄せられた7件の研究提案を5月開催の常任理事会に於いて検討し、民間セクターに関連する「東日本大震災における企業のクライシス対応」と、公共セクターに関連する「東日本大震災からの地域復興に向けた行政広報、地域広報の多面的評価」の二つの緊急研究プロジェクトへと統合し、理事会の承認を得て予算措置を図るとともに会員からも広く参加を求めて、2年間での指定研究として着手することした。
このような研究プロジェクトを実施するにあたって、前年度の基本方針であった「関連学会との協働を中心とした学際的連携の推進」の必要性が痛感される次第である。これまであまり成果が上がっていないだけに、本年度は重点的に取り組む必要がある。
本年度は、このような緊急プロジェクトが新たに開始することもあり、従来にも増して調査・研究活動に多くの資金を投入しなければならず、厳しい財政事情の中さらなる効率的な運営が求められる。
ここから、本年度は、研究面では関連学会との協働での研究活動の推進と今までの本学会の研究成果の社会への公開の拡大に重点化していきたい。また、運営面では様々な点で経費の効率化を図ってきたが、今回の大震災対応緊急研究プロジェクトとともにその後の20周年記念事業としての「日本社会のディジタルシフトや超国際化に対応した研究プロジェクト」への取り組みなども予定されていることから、今後は会勢の拡大による財政的基盤の強化に努めていく必要がある。
以下に、本年度の本学会の主要活動計画を記す。

1. 調査・研究活動

(1)東日本震災対応緊急研究プロジェクト

東日本大震災への対応として、当学会では4月6日に理事会を開催し、緊急研究プロジェクトを実施することを決め、早速全会員に研究企画の募集を行った。4月25日に締切ったところ7件の応募があり、これを元に常任理事会で審議を行い、下記の2件を指定研究として2012年度末までに最終報告をまとめることを目途に実施することとした。

・東日本大震災における企業のクライシス対応(主査:駒橋恵子)
・東日本大震災からの地域復興に向けた行政広報、地域広報の多面的評価(主査:河井孝仁)

(2)研究活動

研究活動規程に基づき、研究部会および自由研究の研究計画について公募を行い、応募企画の中から研究会運営委員会で審議の結果、本年度は以下の研究活動を実施する。

a)研究部会
@「パブリックリレーションズの理論研究」研究部会(部会長:鈴木幹久/於東京)
A「マーケティングPR」研究部会(部会長:五十嵐正毅/於 東京)〔前年度より継続〕
B「組織内コミュニケーション事例研究」研究部会(部会長:宮田 穣/於 東京)〔前年度より継続〕
C「レピュテーション研究」研究部会(部会長:石川慶子/於 東京)〔前年度より継続〕
D「インターネットを介した広報・口コミについて」研究部会(部会長:加藤恭子/於 東京)〔前年度より継続〕
E「大学広報」研究部会(部会長:坪田秀子/於 東京)〔前年度より継続〕

b)自由研究B
@中小企業のコーポレート・コミュニケーションに関する研究会(主査:石橋陽/於京都)
A「自治体議会広報研究」(主査:河井孝仁/於 東京)〔前年度より継続〕
Bスポーツ施設におけるコミュニケーションとソーシャル・キャピタル形成(主査:石井 智/於 大阪)〔前年度より継続〕
C広報事例研究会〜ケーススタディを中心として〜(主査:駒橋恵子/於 東京)〔前年度より継続〕

(3)研究発表大会

会員の研究成果の発表および会員相互の情報交流の場として、第17回研究発表大会を10月22日(土)、23日(日)の2日間にわたり、東京経済大学において、「東日本大震災における広報課題」の統一論題のもとに開催する。

(4)オピニオン・ショーケース(ミニ研究集会)

 学会の研究活動のさらなる活性化を目指し、若手・異分野研究者および実務家からの今日的課題を巡る問題提起を受け、参加者を交えた自由闊達かつ濃密な議論を行うことを目的として、本年度は第6回となるオピニオン・ショーケースを3月上旬を目途に開催することとする。また、東京のほか、関西あるいは中部地区での開催の可能性についても検討することとする。

(5)図書資料の収集

国内外の広報・コミュニケーションに関する図書・資料等を収集し、その活用を図る。

2. 日本広報学会賞

当学会創立10周年記念事業の一環として、2006年1月に日本広報学会賞(以下学会賞という)を制定した。その後、応募・受賞状況等を勘案して、2008年5月21日開催の理事会において「日本広報学会賞規程」の改正を行った。
改正のポイントは、賞の種類について従来の「学術貢献賞」と「優秀研究奨励賞」のほかに「研究奨励賞」と「教育・実践貢献賞」を新設し、より受賞のチャンスを拡げるとともに、実践面および人材育成・啓発面の業績にも枠を拡げることとしたことである。
学会賞は本年度は第6回となるが、改正学会賞規程に基づいて、2010年度中(2010年4月〜2011年3月)に発行または掲載された会員の著した図書および論文を対象に候補作品の募集を行い、審査委員会が審査選考を行って、本年10月開催予定の第17回研究発表大会の席上で結果発表と表彰を行う。

3. 会誌 『広報研究』の発行

本誌は、広報およびその関連する領域における学術研究、実務的研究の発展、啓発に
積極的に寄与するために、会員による独創的、先端的研究成果を発表、公開し、共有することを目的として、本年度は2012年3月を目途に第16号を発行する。
 なお、かねてより、投稿者の方々から論文等の字数制限が厳しく、十分な理論展開ができないとの意見が寄せられており、論文等の字数制限の上限を拡大することが課題となっていたが、学会誌委員会で検討の結果、執筆要領を改正し、長さについては、「論文」「総括」「講演」は注、文献、図表を含めて24,000字以内と倍増することに、また「研究ノート」、「事例研究」は同じく12,000字以内と5割増とすることに決まり、2009年2月2日の第55回理事会で承認され、第14号から新規程に基づいて編集が行われている。

4. 公開シンポジウム

会員の多くが関心を持ち、かつ広報理論の確立と発展に寄与しうるテーマを選定し、年1回開催しているが、第13回となる本年度は9月上旬頃開催する予定である。テーマおよび講師選定等は、研究部会、自由研究のテーマの中から一つを選んでその研究チームに企画・構成等を委嘱することも考えている。このシンポジウムは当学会の活動を外部にもアピールする目的から、当学会会員以外の企業・団体等の広報担当者および研究者等にも広く参加を呼びかける。東京のほか、関西あるいは中部地区においても開催することとする。

5. 広報塾

会員の多くが関心を持ち、かつ広報理論の確立と発展に寄与しうるテーマを選定し、年1回開催しているが、第14回となる本年度は9月上旬頃開催する予定である。テーマおよび講師等の選定は、事業委員会が中心となって行う。このシンポジウムは当学会の活動を外部にもアピールする目的から、当学会会員以外の企業・団体等の広報担当者および研究者等にも広く参加を呼びかける。東京のほか、関西あるいは中部地区においても開催することとする。

6. 当学会ホームページの運営 および会報の発行

(1)ホームページの運営

2000年9月から国立情報学研究所のサーバを利用して当学会のホームページを開設し
ていたが、運用面で制約があることから、会員はじめ一般との情報交流をより密接に行うため、2007年12月より独自の有料サーバを使って運用を開始するとともに、2008年度にはデザインを一新して、より見易いものにリフォームした。本年度はコンテンツの一層の充実を図ることに努める。

(2)会報『INFO』の発行

当学会の活動状況、会員に関する情報、内外の広報・コミュニケーションに関する情
 報に加えて、会員相互の意見交換・親睦等に資するため紙ベースのINFOを発行してきた。また速報性を高め、よりきめ細やかな情報提供を行うため、2006年度下半期よりメールマガジン“e-INFO”を毎月1回、原則として第2火曜日に配信している。本年度より紙ベースのINFOは廃刊してe-INFOに一本化することとし、定期配信を守り、内容の一層の充実を目指す。

以上